Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 のシステム要件がついに公開

Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 は今年後半にリリースされる予定で、システム要件などがついに発表されました。

Announcing Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024: Empowering Edge Innovation!
Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 is here

IoTエディションではない、Windows 11 Enterprise LTSC 2024 も同様に、2024年秋頃にリリース予定のため、24H2と合わせて同時期のリリースになりそうですね。

今回使用が発表されたWindows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 は、IoTエディションでもあり、LTSCでもあり、一般のWindows 11 OSとは少し異なるところもありますので、詳しく見ていきましょう。

Windows 11 LTSC? IoT? って何が違うの?

Windows には、Home 、Pro 、Enterpriseなどのエディションのほかにも多くのエディションが存在します。CPUや利用用途によりエディションが様々ですが、今回リリース予定のWindows 11 IoT Enterprise LTSC は、「IoTエディションであり」「Enterpriseエディションであり」「LTSCエディションであり」フルセットのエディションと考えていただければよいと思います。

エディション対象サポート期間
Windows 11 (Home)一般消費者向け
(コンシューマー向け)
3年(=24 か月)
Windows 11 Pro中小企業向け
(ビジネス向け)
3年(=24 か月)
Windows 11 Enterprise大企業向け
(ビジネス向け上位)
3年(=36 か月)
Windows 11 IoT Enterprise組み込み機器向け
(Enterprise+IoT向け機能)
3年(=36 か月)
Windows 11 Enterprise LTSC 長期サポートモデル
(機能更新をしない)
5年
Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 IoT + Enterprise + LTSC10年
https://learn.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/products/


Windows IoT Enterprise LTSC とは?

以下の通り説明されており、リリースは3年ごと。サポートは最長の10年になっています。
しかし、一般ユーザーが利用するアプリケーションの多くは新機能のリリース等をすることがあり、アプリケーションもバージョンアップをしていきます。長期間機能更新プログラムを適用しないWindows IoT Enterprise LTSCはサポート対象外となるアプリケーションも今後発生する可能性があります。

Windows IoT Enterprise LTSC は、デバイスの寿命を通じて機能や特徴が一定である固定目的のデバイスやユース ケース向けに設計されています。これらのデバイスは、通常、銀行、医療、接客、製造、小売などの業界で使用されています。規制認証を必要とするデバイスや、重要なビジネス機能を実行するデバイスでは、機能の更新を一度に何年も受け入れることはできません。

Windows IoT Enterprise LTSC は、これらのユース ケースを念頭に置いて設計されました。Windows IoT Enterprise LTSC の各リリースは 10 年間サポートされ、その 10 年間のライフサイクルを通じて機能が変更されることはありません。

Windows IoT Enterprise LTSC は約 3 年ごとにリリースされ、各リリースには、前回の LTSC リリース以降にリリースされた Windows 機能更新プログラムに含まれるすべての新機能とサポートが含まれています。LTSC リリースには、Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 のように、特定の年で名前が付けられます。

Windows IoT Enterprise LTSC リリースには 10 年間のサービスとサポートが提供されます。Windows IoT Enterprise LTSC の 1 つのバージョンから次のバージョンにアップグレードするには、新しいライセンスが必要です。

*注意

Microsoft は、Windows IoT Enterprise LTSC を実行しているデバイスに対して、Windows Update を通じて機能更新プログラムを公開しません。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/iot/iot-enterprise/Overview#windows-iot-enterprise-ltsc

Windows IoT Enterprise の最小システム要件

まず、 Windows 11 IoT Enterprise LTSC 最小要件ですが以下の通りとなっています。

成分推奨される
最小要件
オプションの
最小要件
プロセッサー¹1GHz、2コア1GHz、2コア
システムメモリ4ギガバイト2GB
ストレージサイズ64GB16ギガバイト
ストレージタイプソリッドステートドライブ (SSD)ソリッドステートドライブ (SSD)
ハードディスクドライブ (HDD)
ハイブリッドハードドライブ (SSHD)
フラッシュ (eMMC、SD、USB)
システムファームウェアUEFIBIOS
TPPMについてTPMS2.0 についてオプション
セキュアブート有効オプション
ダイレクトXダイレクトX12DirectX 10 / なし
画面9インチ対角
720p HD
カスタムサイズ / オプション
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/iot/iot-enterprise/Hardware/System_Requirements?tabs=Windows11LTSC

Windows IoT Enterprise の推奨最小要件は、最適なパフォーマンスと互換性が求められる一般消費者向けデバイスの要件と一致します。Windows IoT Enterprise ベースのデバイスは、特殊デバイス向けのこのシステム要件バーからある程度の柔軟性があります。エンド カスタマーがデバイスにソフトウェアを追加できる特殊デバイスを製造する場合は、このバーから逸脱することを慎重に検討する必要があります。たとえば、TPM を提供しないと、エンド ユーザーが必要とするソフトウェアに影響する可能性がありますが、異なるストレージ デバイスを使用すると、通常は読み取りと書き込みのパフォーマンスにのみ影響します。

ここで注目したいのは、オプションの最小要件です。
これは、旧システム向けの互換性のあるOS要件となっており、BIOSベースで動作が可能でTPMやセキュアブートも不要となっています。基本的には組み込み機器など、ユーザーが普段使いしないデバイス向けのオプションと考えたほうがいいかと思います。
Windows IoT Enterprise のオプションの最小要件は、デバイス メーカーが、厳選された「アプライアンスのような」エクスペリエンスを提供する特殊なデバイスを構築するときに使用するために提供されています。ストレージ要件の低減など、これらのオプションの最小要件の一部では、サービスやデータ ファイルの増大によってストレージが完全に消費されるのを防ぐために、デバイスのライフサイクル全体にわたって追加の監視と管理が必要になります。配布前に、選択した構成が特殊なデバイスのライフ サイクル全体にわたってニーズを満たすことを十分に検証することが重要です。

また、合わせて Windows 11 IoT Enterpriseのシステム要件にも若干の変更があります。
違う点は24H2からオプションの最小要件が引き下げられ Windows 11 IoT Enterprise LTSC と同様にBIOSに対応します。

Windows 11 IoT Enterprise の最小要件は以下の通りです。

LTSCではない、Windows 11 IoT Enterpriseは、すでにリリースされているため、21H2~23H2までのオプションの最小要件と分けて書かれていますが、24H2以降は、Windows 11 IoT Enterprise LTSCと同様のようですね



成分

推奨される
最小要件
21H2、22H2、23H2
オプションの
最小要件
24H2以降
オプションの
最小要件
プロセッサー¹1GHz、2コア1GHz、2コア1GHz、2コア
システムメモリ4ギガバイト4ギガバイト4ギガバイト
ストレージサイズ64GB64GB64GB
ストレージタイプソリッドステートドライブ (SSD)ソリッドステートドライブ (SSD)
ハードディスクドライブ (HDD)
ハイブリッドハードドライブ (SSHD)
フラッシュ (eMMC、SD、USB)
ソリッドステートドライブ (SSD)
ハードディスクドライブ (HDD)
ハイブリッドハードドライブ (SSHD)
フラッシュ (eMMC、SD、USB)
システムファームウェアUEFIUEFIBIOS
TPPMについてTPMS2.0 についてTPMS2.0 についてオプション
セキュアブート有効オプションオプション
ダイレクトXダイレクトX12ダイレクトX12DirectX 10 / なし
画面9インチ対角
720p HD
カスタムサイズ / オプションカスタムサイズ / オプション
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/iot/iot-enterprise/Hardware/System_Requirements?tabs=Windows11

対応しているCPUについては、以下のページで確認が可能です。

Windows IoT Enterprise Processor Requirements
Learn about Processor Requirements for Windows IoT Enterprise.

アップグレード

アップグレードについては、有償になります。

例えば、Windows 11 22H2 から Windows 11 23H2へのバージョンアップや、Windows 10 からWindows 11 へのアップグレードは現在基本的には無償となっていますが、LTSCは買い切りモデルと同等にアップグレードは対応していません。そのため、おそらくWindows 11 でも3年ごとに新しいバージョンのLTSCがリリースされる場合でも、それぞれOSは買いなおす必要があります(そもそも10年間アップグレードをしない前提のため、バージョンアップをする必要が本来ありません)

特定のバージョンの Windows IoT Enterprise LTSC から次のバージョンにアップグレードするには、新しいライセンスが必要です。 以前のバージョンの Windows IoT Enterprise LTSC がデバイスにプレインストールされている場合は、デバイス メーカーに連絡して、デバイスのアップグレードが提供されているかどうかを確認してください。

Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 の新機能 - Windows IoT Enterprise
Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 を使用するデバイス メーカーや IT 担当者にとって重要な新機能と更新された機能について説明します。

サービス ライフサイクル

Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 では、Windows 10 IoT Enterprise LTSCと同様に引き続き 10 年間のサポート ライフサイクルが提供されます。これには、毎月の Windows Update を介して配布される品質更新プログラムが含まれます。

Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024 は、固定のライフサイクル ポリシーに従います。

最後に

Windows 11 IoT Enterprise LTSC 2024のリリースが待ち遠しいですが、Windows 10 同様に長期サポートの甘い誘惑に誘われてしまうと、思わぬ機能制限がある場合があるので導入を検討されている方に関しましてはお気を付けくださいね

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